日本市場は強いのか?

投資

先月は、FRBがインフレ退治を達成するため景気への打撃をいとわずに利上げすることを明確にしたことによって、ダウは月間で2784ドル安、約2年ぶりに2万9000ドルを割り込み、コロナショック以前の水準まで戻ってしまいました。

 一方、日本株はというと大きく下がってはいるものの、コロナショック前の2万3000円台まではまだ余裕があります。

 日米英独主要指標の年初からの動きをまとめてみましたが、ハイテク株が多いNasdaq100は金利の上昇に弱いため、一番大きく下がっているのが分かります。他方、日経、ダウ、DAXを比較してみるとダウとDAXは緩やかに下がり現在は-20~25%といったところですが、対して日経平均は-10%程度とほぼ横ばいといってよい動きです。

 これだけ見ると、日本株は強いという風に見えてしまいそうですが、これをドル建てでみてみると随分と異なった風景が見えてきます。

 下のグラフを見ればわかるように日経平均は昨年9月17日に30584円を記録した後、円建てで見ると横ばいとなっているのが分かります。しかし、ドル建てで見ると今年に入って急落しているのが分かります。特に、円高が急激に進んだ3月11日以降は下落が加速し、2020年2月末のコロナショック直前水準を下回っていることが分かります。また、年初からは25%以上下落しており、ダウ及びDAXとパフォーマンスは大して変わっていないといえると思います。

 円建てで見ると日経平均は強いように見えてしまいますが、ドルで取引している人間から見ると十分日本株も下がっているわけです。

 ちなみに、FTSE100も日経平均同様横ばいとなっていますが、GBP/USDも今年に入って下がっているのでドル建てにすればほかの指標と大して変わらないでしょう。そもそも、FTSE100はコロナショック前の高値すら更新していませんから下がる余地もそこまでないのかもしれません。

 あと、個人的に驚いているのが昨年2月中旬に日経平均は286ドルでバブル時のピークを越えていたということです。(このグラフを作成するまで知りませんでした・・・)このことを考えると、大幅な下落は当然なのかもしれません。

 日経平均が大きく下がらない原因が現在の円安にあると考えると、円安が続く限り海外市場の暴落は案外、買いのチャンスなのかもしれません。ただ、日銀がレートチェックをするなど過度な円安に警戒感を示しており、1ドル145円台から円安が進まなければ、海外市場と同様の動きをするかもしれません。

 いずれにせよ、今後の為替の動向は注視しておく必要があるでしょう。今後、為替の見通しも載せたいと思いますので興味があればぜひ見てみてください。

 今週は、日銀短観や米国の重要経済指標が発表されますが、景気後退懸念も高まってきているので悪い結果になれば株価はまだ下がるかもしれませんね。先週から騒がれている欧州の財政悪化懸念にも要注意です。

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